「セリ」について
漁協では、魚の水揚げ、選別、セリ、出荷の順に魚を流通させています。
「セリ(競り)」とは、売りに出されたものをだれがいくらで買うかを決める方法です。漁協では、長田漁港での朝市、垂水漁港での昼市での2つのセリを行っています。
普段、「セリ」は仲買業者への販売のみで行っており、一般には公開されておらず一般の方になじみのないものです。
ここでは漁協での「セリ」について簡単にご紹介します。
セリに集まる「魚の量」について
セリに集まる魚の量は、生産者(漁師)が漁を行うかどうかによって決まります。
セリは毎週月曜日~土曜日開催されますが、いつ漁に出るか(出漁するか)、売りに来るか(セリに魚を持ってくるか)は生産者(漁師)の自由となっています。仮に日曜日に生産者が漁に行った場合、魚を売る事が出来ないので月曜日に2日分の魚を売ることになり、普段の日より多く魚が取り扱われることになります。また、船曳漁が休みとなる水曜日と土曜日も魚の量が増えることが多いです。船曳漁が休みの日は、船曳漁業者も底曳漁や建網漁にいくため、その分セリに魚をもって来る漁師が増えるためです。なお、船曳漁で漁獲されるイカナゴやシラスは、セリとは別に入札が行われています。
季節ごとで見ると、春から夏・秋にかけて多く、漁閑期である冬場は集まる魚が少なくなります。
余談ですが、昭和30年代から取り組んできた海苔養殖の事業は「漁閑期である冬場の収入を確保し、漁家経営を安定させるため」に他の組合に先駆けて神戸市漁協が取り組み始めたものです。
セリに集まる「魚の漁法・種類」について
水揚げされる漁港ごとの主な漁法:
<朝市> 長田港 底曳網、建網、せん漁業(かご漁)、曳き網、一本釣、巻き網、その他
<昼市> 垂水漁港 底曳き網、建網、曳き網、一本釣、延縄、たこつぼ、採貝採藻、船曳網、その他
水揚げされる魚の種類:
水揚げされる魚には、ウマヅラハギ、チヌ、モンゴイカ、ベラ、アブラメなどがあります。季節ごとに変化がありますが、おおよそ旬の物が水揚げされます。詳細については、下記「漁獲される魚(種類・時期)」をご覧ください。
知って楽しい!垂水漁港「昼のセリ」の流れ
ここでは漁協の売りのひとつ、垂水漁港で昼に行われる「昼セリ(昼網)」についてご紹介します。
正午に行われる「昼セリ(昼網)」では、昼前に水揚げされたものが出揃います。素早く競り落とされた魚は、その日の夕方には近隣の商店にならびます。その鮮度の良さが人気の理由です。
水揚げ
漁港に加盟する漁船が港へ帰ってきます。
選別
水揚げされた魚を、魚種、大きさ別に分類していきます。鮮度をたもつため素早く作業を進めます。
・生きている魚→水槽へ
・生きていない魚→ハコ詰め
選別作業が終わると、後はセリがはじまるまで待ちます。
販売 セリ(競り)
午前12時に、カランカランとセリ人が鳴らした鐘の音がセリの開始を告げる合図となります。
- 飯台(※セリにかける魚を魅せる舞台)に魚がでます。
- 買受人が一斉に値段をつけ、指で値段を「セリ人」に伝える。
- 「セリ人」はその中から「一番高い値段を示した人」を落札人として、記録係(帳付け)に、その価格と落札人の登録番号を知らせる。(※市場用語で「値(ねえ)と番号を唱える」と言います)買受人20人ぐらいだと魚が飯台に出てから唱え終わるまでに数秒(6.5~7秒位)で、一般の人には何をしているのか理解できないレベルです。
- 飯台に出ていた魚は「落札」(買い受け済み)となり、落札した買受人は自分の車に積み込む。
セリの中では「1~4」を繰り返し行っています。多い時では300回以上、時間にして40~45分、少ない時は10~15分ほどです。
出荷
鮮魚店・スーパー・商店などの店頭へ
買受人たちは、漁港から自分の店舗や卸先に魚を持っていき、市内外の店頭に並び、消費者の家庭に届きます。
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